DKIMと今後の動向について

Categories: ITなニュース  2011/8/5 金曜日

迷惑メール対策としてこれまでOutbound Port 25 Blocking、つまりプロバイダ以外のメール送信サーバへのアクセスに制限を設けることで、スパム業者が迷惑メールを大量送信できないようにする仕組みが利用されてきました。

これらは主に2005年頃から知られるようになった仕組みで、「突然メールが送れなくなった」という経験をした方もおられることでしょう。

こうした仕組みは多くのプロバイダが導入することによって効果があるものですが、現在この仕組みは日本の多くのプロバイダで採用され、実際に効果を上げてきました。

メールを設定する際ポート番号は25では通らないことを知っている人も増えてきたように思います。

さて、同時期に提唱されてきた別の仕組みとしてDKIMがあります。

これは送信者の身元を明確にすることによって、あやしい(不正な)メール送信を排除するという考えに基づいています。具体的には送信メールに電子署名を追加しておき、受信側で公開鍵に基づいて送信者を特定する仕組みです。しかし、送信側と受信側のサーバの両者が対応して初めて意味がある仕組みなので急速に普及させるには至っていませんでした。

そのような中、楽天をはじめ主要なメール配信プロバイダを含む11社がこのDKIMに対応したとのニュースが報道されています。

受信側がどうあれとりあえず送信メールに署名を付すことから取り組んでいくことになるようです。これを契機に他のメール配信プロバイダも対応していくようになれば、やがて受信メールサーバ側での対応もすすんで行くことでしょう。


Author: Nishi
システム開発、管理を担当しています。 どちらかというと裏側の仕事が多いですが、 開発したものがどこかで社会の役にたってほしいと願うのは開発者であればみな同じはず。 そんな観点で実は便利もしくは有益だけどあまり知られていないITのさまざまな分野を記事で紹介していきたいと考えています。

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