予防交換のすすめ

Categories: ITtimes, トラブル解決  2011/9/6 火曜日

先日「PCが遅くなったのでみてほしい」と頼まれたので、友人宅にうかがうことになりました。マシンは日本の大手PCメーカーのモニタ一体型デスクトップPCで、メモリ256Mのハードディスクが160Gの製品です。

なぜ遅かったのかといえば、メモリ256Mに対して実際の使用メモリは350M程度になっており、物理メモリが足りないことは明らかでした。物理的にメモリが足りない場合、OSは自動的に優先順の低いタスクを仮にハードディスクの特定の領域に逃がします。しかし今回みたマシンは空き領域が0.5Gつまり500Mしかなく、物理メモリからあふれた分を置くスペースがないためマシン全体の動作に影響を及ぼしていたようでした。

データをいくらか破棄すればスペースが空いて処理能力が向上するのですが、あまり破棄できるデータが無いようであったため、このタイミングでリカバリと同時に現在より2倍のサイズのハードディスクを導入することになりました。

予防交換をお勧めする理由 (1) – マシンのパフォーマンスを改善できる

常にCドライブは10%-20%以上空きがあるようにしておきましょう。
データを整理整頓して外付けハードディスクに移動することもできます。
もしくは内蔵ハードディスクの空きが無くなった時点で新しいハードディスクと交換することもできます。そうすれば以前のハードディスクがそのままバックアップになりますね。

そんなわけでハードディスクを発注することにしました。
今回みたマシンはパラレル伝送方式のハードディスクを使用しているタイプですが、このタイプは古い規格のため今ではあまり生産されていません。種類も少なく、また値段も高めです。
友人にメモリの増設も頼まれたため同時にメモリも購入しました。
ハードディスクほどでないものの、やはり古い規格のため購入しにくいものでした。

予防交換をお勧めする理由 (2) – 古いPCほど部品交換はコスト高になる

容量も異なるため一概には言えませんが、5年ほど前の規格と今の規格を比べた場合、今普及している規格は種類・在庫共に豊富で価格面でもお得に購入することができます。
その逆で古い規格のものは入手しにくくなリます。
もしメモリの増設を検討しているのであればPC購入時、また早い段階での導入を検討する方がいいでしょう。ハードディスクの場合、マシンの基板・もしくはOSが対応できる容量に制限があることもあり、新しい規格のハードディスクでは合わないこともあります。その面でも早い段階の交換であれば十分に部品を探すことができます。

さらに、近年はPCパーツの低価格化とともに品質の低下も心配されています。
日本で生産されていたようなパーツが海外での生産に切り替わるなどした結果、耐久性も以前ほどではなくなってきた部分もあります。

ところで冒頭の友人のPCは今回のリフレッシュによってだいぶ快適になり、あと数年は使用できるような状態に回復しました。これならきっと喜んでくれることでしょう。

パソコンを使い続けるなら修理よりも、早めの交換のほうが安くて安心です。


Author: Nishi
システム開発、管理を担当しています。 どちらかというと裏側の仕事が多いですが、 開発したものがどこかで社会の役にたってほしいと願うのは開発者であればみな同じはず。 そんな観点で実は便利もしくは有益だけどあまり知られていないITのさまざまな分野を記事で紹介していきたいと考えています。

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